禁煙外来とは?
禁煙外来とは、総合病院のほか、さまざまな診療科で病院のサポートを受けながらおこなう禁煙のことです。1人ではなかなか達成できない禁煙も、医師スタッフによる身体・精神的なサポートと、それぞれにあった禁煙補助薬を処方することで、無理なく治療を続けていくことができます。
条件を満たせば、健康保険等を使って禁煙治療ができます。
健康保険等を使って
禁煙治療を受けるための条件
【健康保険等が適用される「禁煙治療を受けるための要件」4点を満たしていること】
- 1ニコチン依存症の判定テストが5点以上
- 2【1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数】が200以上
(2016年4月より35歳未満には上記要件がなくなりました) - 3ただちに禁煙を始めたいと思っている
- 4禁煙治療を受けることを文書で同意している
【前回の治療の初回診療日から1年経過していること】
過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年経過しないうちは、自由診療となります。なお、最終的なニコチン依存症の診断は医師がおこないます。
過去に禁煙治療をおこなった人が再喫煙をしてしまっても、また挑戦できます。
禁煙の補助薬
禁煙補助薬には、ニコチンを含まない飲み薬、ニコチンパッチ、ニコチンガムの3種類があります。医師が処方し、健康保険等が使えるのは、ニコチンを含まない飲み薬と、医療用のニコチンパッチです。ニコチンガムと、一部のニコチンパッチは、薬局で買うことのできる一般用医薬品になります。
禁煙治療のスケジュール
禁煙治療は12週間が基本です。その間に、診察を5回受けます。治療中、最も大切なことは、医師に相談なく中断しないこと。「1度診察を受けたから、あとは自分の力で禁煙できる」と、受診をやめる人がいますが、そうした人の禁煙成功率は低いことがわかっています。5回の診察をすべて受けた人と、診察を中断した人の禁煙成功率を比べた調査があります。すべての診察を受けた人では、約50%が禁煙を続けており、2人に1人が禁煙に成功しています。一方、初回の診察で中断してしまった人で、禁煙が続いているのは、わずか6.5%でした。
誰の支えもアドバイスもなく、さらに薬の処方もなく1人で禁煙をするのは、精神的にも大変なことです。ぜひ、医師と一緒に12週間の禁煙治療を最後まで受けましょう。
禁煙治療の流れ
初回診察
《初回》 初診時の問診では、治療法の説明の他、ニコチン依存度、喫煙の状況、禁煙の関心度などがチェックされます。また、呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度の測定、禁煙開始日の決定と「禁煙誓約書」へのサイン、次回診察日の決定をおこない、治療のための禁煙補助薬の処方を受けます。
2回目
《2回目》 初回から2週目に再診し、喫煙状況の問診を受けます。呼気中の一酸化炭素の測定をおこない、禁煙補助薬の追加処方を受けます。
3回目
《3回目、4回目》 4週目、8週目の再診でも、呼気中の一酸化炭素の測定とともに、出現した離脱症状の確認や対処法などのカウンセリングや治療を受けます。
4回目
5回目
《5回目》 12週目の再診が最終回、治療終了です。禁煙に成功していれば、そのまま禁煙を継続する ためのコツを理解します。
卒煙
《卒煙後》 半年、1年後もフォローしていきます。 禁煙専門指導看護師がカウンセリングを行っています。
禁煙を始めると様々な離脱症状(禁断症状)が現れます。個人差はありますが、イライラする、落ち着かない、頭が痛い、眠い、口寂しい、吸いたい気持ちが抑えられない…などの症状が現れます。これらの多くはニコチン依存症によるもので、禁煙がうまくいかない1番の原因です。タバコの害について正しい知識を持ち、禁煙することによって得られるメリットについてよく考えてみましょう。禁煙したいという強い思いがあったとしても、医師によるアドバイスや薬の処方が不可欠な場合もあります。禁煙外来に興味のある方はぜひご相談ください。
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